魁!!ナイトライダー

Fuckin Knight Rider

 

 

 

 

 

第一話「夜泣きとピストン運動」

 

 

「・・・ねえ、キット。」

「3(さん)を付けて下さいマイケル。」

「え?う、うん。・・・ねえ、キットさん。」

「どうしましたマイケル。」

「ターゲットだからとりあえず殺しちゃったけど、ホントにコレでよかったのかな。」

「法で裁けない悪を裁くにはこうするしかないのですマイケル。」

「殺されるような悪事ってどんな悪事だったのかな。」

「麻薬の密売ですマイケル。」

「麻薬・・・。たくさんの罪の無い人々を不幸にしてきたってことか。」

「ちなみに取引先は主にウチですマイケル。」

「悪のお得意さんが身内かよ!」

「たれ込みが入る前に消しておくのがこの世界の常識ですマイケル。」

「どんな常識だよ。ヒドイよ。」

「法で裁かれる前にコッチで裁いちゃおっか。みたいな。マイケル。」

「語尾のマイケルがムリヤリだよキットさん。」

「ガタガタうるさいですマイケル。」

「とりあえず逃げようよキットさん。」

「それではブツを拾ってきて下さいマイケル。」

「ブツも奪うのかよ!もうぐだぐだの悪党だよ。」

「食べていく為には仕方ありませんマイケル。」

「忘れよう。今夜のことは忘れよう。」

「ブツを捌いて浮いた金でオンナをひたすら抱けばいいですマイケル。」

「どんなアドバイスだよ。機械のクセに生々しいよ。」

「情欲に溺れている方が人間としてリアルですマイケル。」

「うっかり感心しちゃったよ。もう少しで流されそうになったよ。」

「人殺しが偉そうに。生意気言うもんじゃありませんマイケル。」

「言葉のナイフでえぐりすぎだよキットさん。」

「ところでマイケル。」

「謝りもせずにどうしたんだいキットさん。」

「ちょっとソコのボタンを押してみて下さいマイケル。」

「ん?コレかな?(ポチッ)」

 

 

「うおっ!」「うおおっ!」「うおおおっ〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

 

「特に意味はありませんマイケル。」

「あ、危ないよ!どうせなら意味がある時にやってよキットさん。」

「なんかイライラしてたから、つい。マイケル。」

「語尾にマイケルは決まりかよ。そんな青春の過ちみたいな理由でやるなよ。」

「誰も解ってくれなくたって今この夜に生きるさワンナイトマイケル。」

「なんだよワンナイトマイケルって。もう好きにしてく・・・ん?」

 

ペポッポペポポペッポペッ♪(ア〜ン♪ア〜ン)←(※マイケルの携帯着信音です。)

 

「私だ。」

「なんだいデボン。」

「仕事は上手くいったようだな。よくやったマイケル。」

「思春期の子供じゃあるまいし、褒められても嬉しくないよ!もうこんな仕事はしないからね!」

「うむ。そう言うと思って次は殺しじゃない仕事を用意した。」

「お?気が利くじゃない。で、どんな仕事?」

「会員制社交クラブの潜入取材。基本は乱交パーティーらしいが、しっかりとした資料を集めて欲しい。」

「要は先行下見かよ。まあ、殺しよりはまだマシか。」

「普通のセックスじゃ物足りなくてね。行って本番ダメでしたじゃ軽く暴れちゃうからさ。」

「デボンの性癖なんてどうでもいいけど、暴れちゃうのは迷惑だよね。」

「では、よろしく頼む。本番で中出ししちゃったらちゃんと殺しておけよ。後々面倒だから。」

「殺した方が後々面倒だろフツー。悪党の鑑みたいな発想だね。」

「いやいや、私なんてまだまだ駆け出しですよ。」

「おかしな謙遜はもういいって。」

「潜入するには合言葉がいる。「サリバン先生はスカトロが好き。」・・・これを入り口で三回言えばイイそうだ。」

「入り口で良心そぎ落とす仕組みだね。聞いてるだけで落ち込むよ。」

「病気もらっても保険きかないから。」

「いいよもうなんでも。」

「せいぜい楽しんできたまえ。正義は勝つ。」

「そこで正義は勝つってなんかおかしいだろ。」

「あ、そうそう。SMプレイは禁止だって。」

「え?マジ?なんだよもーーっ!!」

「(やっぱりおもしれーコイツ)」

 

 

 

 

 

 

こうして運命の歯車は廻り続ける。

 

避妊なんてまっぴらゴメンだ。オレはオレのやり方でやる。夜の暴走超特急。

 

これぞホントのナイトライダー。安息の日々などクソくらえだ。

 

さあ、ゆけ!ナイトライダー!!

 

悪の手先となり、正義を・・・その、なんとかするんだマイケル・ナイト・イトウ!!

 

がんばれ!マイケル・ナイト・イトウ!負けるなマイケル・イトウ!

 

戦え!イトウ!!

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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