「勘違いってコワイよな。」

「気づかなければ問題ないけどね。」

 

 

 

 

 

〜秋に染まるクリック〜

  

 

 

「W(ダブル)クリックでーす。」

 

「もうすっかり秋だね、ミギー。」

「そうだな。肌寒さを感じるよ。」

「秋が来るとね・・・思い出すこと、多いよ。」

「なんとなくわかるな。」

「落ちてるどんぐりとか集めたっけ。とかさ。」

「わかるわかる。ノスタルジックだな。」

「石の裏とか、虫なんか探したりして。」

「ウゾウゾ動く虫で遊んだな。」

「そういえば大人になっても少年の心、忘れてない人たちもいるよね。」

「お?なんかステキな人たちっぽいな。」

「落ちてるバッグとか集めたり・・・」

「置き引きだよソレ。」

「自販機の返却口の中、虫なんか探したりして。」

「探してるモノが違うよ。」

「公園で秘密基地作って遊んでるしね。」

「作ってるけど遊んでない。遊んでないよ。」

「服の汚れなんか気にもしてないよ。」

「気にしてないけど違う。あってるけど違う。」

「仲良くみんなで漫画なんか集めちゃってさ。」

「集めてる目的が違うよ。」

「そんなに集めてどうすんだってくらいに。微笑ましいね。」

「売るんだよ。笑えないよ。」

「ボクには真似できないなって思ったね。」

「真似しちゃダメなんだよ。」

「そういえばこんなこともあったんだよ。」

「どんなこと?」

「小さい頃ってさ、500円が大金だったよね。」

「ふ菓子が10円とかだったからな。」

「それだけ持ってれば富豪気分味わえたよね。」

「そうだな。ミニラーメン食って、ジュース飲んで・・・大名だな。」

「今のボクたちはせいぜい弁当一個の価値にしか感じないでしょ。」

「確かに。」

「だけどその人たちは500円でも大喜びしてみんなで・・・」

「わかったからもういいよ。」

「なんかさ、その人たち幸せそうだよね。」

「失くしたモノも多いけどな。」

「だからさ、ボクも負けじと少年の心を取り戻そうと思って。」

「なんだか不安だな。」

「ちょっと前までは魔法だって使えたんだし。」

「今は止まってるもんな。ギッチョのクレジットカード。」

「少年の心を取り戻せば、きっとボクも変われるはず!」

「よくわかんねえけどやる気だけはあるんだな。」

「というわけでおこずかい下さい。」

「結局は金かよ。いーかげんにしなさい。」

 

「ありがとうございましたー。」

  

  

  

  

 

キャスト

 

左クリック(ギッチョ)「自由ってのもラクじゃねーんだよ。」

右クリック(ミギー) 「孤独が好きだってのは強がりだから。」

 

 

  

 

 

 

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